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Tim Hecker Japan Tour 2013

on 2013年6月22日

Tim Heckerの「Ravedeath, 1972」についてはもはや言葉を挟む余地のない傑作でなので未聴の方はぜひ聴いていただきたい。

さて先日の渋谷WWWでの来日公演である。

照明が落とされた空間で、視覚を奪われた観客は残された感覚に神経を集中するしかない。執拗なまでのノイズが皮膚、内蔵までも揺らし、音が空気の振動であることを再認識させられる。凶暴だが美しい音とも振動とも言える何かが飽和した空間に身を委ねていると、次第に周囲と自分の境界が曖昧になってゆくようだった。最後まで照明が灯ることはなく、Tim Heckerらしき人影も一言も発さずステージを去ってしまった。

「Ravedeath, 1972」からの音源も流れていたが、アルバムにおいても聴覚だけでなく触覚という情報も意図されていたのだろうか。あの空間で経験した感覚は言葉では形容しがたい。秋には新作も予定されているということなので近いうちに再来日が実現することを期待したい。次は椅子もあると嬉しい。


Clem Leek – Rest

on 2013年3月24日

Brian Recordsより。8インチレコードは50枚限定、8cmCDは100枚限定でいずれも既に入手困難の模様。クラフト封筒に休符をあしらったパッケージが美しい。2011年のアルバム「lifenotes」でもみられたようなギターを軸にしたアンビエンス。7曲12分弱のたおやかな休息。

http://brianrecords.co.uk/
http://www.clemleek.com/

Rachel Grimes – Compound Leaves

on 2013年3月23日

2009年発表のピアノソロ作品「Book of Leaves」にストリングスを加えて再構成した5曲とストリングスのみの曲が3曲。ピアノは新録でリバーブを抑えたシャープで芯のある演奏になっています。

bandcampで購入するとダウンロードコードが記載されたカードがエアメールで届くという形だったようですが、ダウンロードコードを空欄のままで送ってしまったらしくコードが別途電子メールで送られてきました。デジタル音源のダウンロードだけではなく何かしらモノが届くというのはちょっと良いかもしれません。

http://rachelgrimes.bandcamp.com/album/compound-leaves-with-card-set

:PAPERCUTZ – The Blur Between Us

on 2013年2月1日

Headphone Commuteによるハリケーン・サンディの被災地救済支援コンピ「… and darkness came」経由で知ったポルトガルのドリームポップユニット。

ニューウェーブ・シューゲイズを軸にしてピアノ・ストリングス・ブラスを加えた音作りに、Melissa Verasの変幻自在のボーカルが合わさって深い霧に包まれた森の中にいるような情景を作り上げています。Aëla Labbéの不気味さを秘めたアートワークも雰囲気作りに一役買っています。

発表されたのは2012年のようですが、日本語の情報が殆ど無かったので全く引っかからず。もし去年出会っていれば昨年のベストに入っていたと思います。

CDとデジタル音源はオンラインのストアまたはbandcampで購入できます。CDはポルトガルから郵送で一週間程で届きました。ただ、紙質も造りも少々難有りで、残念なことに曲間が途切れてしまっているので配信のほうをお勧めします。

http://www.papercutzed.com/
http://papercutz.bandcamp.com/album/the-blur-between-us

Tape Loop Orchestra – In A Lonely Place

on 2013年1月26日



1950年の同名の映画を題材にした幽玄なアンビエント作品。ピントが次第に外れていく映像のように、不穏なフレーズが時間をかけゆっくりと溶けていきます。Tape Loop Orchestraとしては初のアナログ盤で、TLOサウンドの真髄といえる音の豊かさが際立ちます。

「世界で最も小さなオーケストラだ。」とはAndrew Hargreavesが2012年のTape Loop Orchestra来日公演の冒頭に語った言葉。生音と電子音を絶妙に融合させたthe boatsやAndrew Hargreavesソロ作品に対し、カセットウォークマンのテープループとラップトップを用い、長い尺の中に溶解、堆積、醸成していく有機的なアンビエント/ドローンサウンドがTape Loop Orchestraの特徴です。一曲もしくはアルバム一枚をカセットテープ片面の収録時間である45分きっかりに収めるという徹底ぶりは実験的であるとともに美しさを感じます。

http://fluidaudio.bigcartel.com/product/tape-loop-orchestra-in-a-lonely-place